11月最後の日曜日。
秋晴れの空は黄砂に少し霞み、やわらかい薄いヴェールをまとった朝でした。
そんな静かな光のなか、天王森泉公園には一般参加者とボランティア、総勢27名が集い、秋の開催がはじめての野鳥観察会がそっと幕を開けました。
最初の目的地は、湧水の森・野の花苑。
森に足を踏み入れると、ツグミやヒヨドリの声が澄んだ空気を震わせ、木々の隙間から聞こえるささやきに耳を澄ませます。
参加者は、野鳥たちが好んでついばむ黒く甘い「むくの実」を試食し、その素朴な甘みに“森の味”を感じ、どこか微笑みがこぼれました。
続いて向かったのは、見晴らしの丘。
ウグイスの鳴き声が梢の奥に響くものの、姿は見えず。
その姿を探して、全員で空と枝葉を仰ぎ見ていると、森全体がしんと静まり返り、秋の深さが胸にしみ込みました。
黄色に染まった、くわくわ森へ入ると、景色はいっそう華やぎます。
ここでは、コゲラ、メジロ、シジュウカラ、エナガ――多様な小鳥たちが群れとなって動く「混群(こんぐん)」に出会いました。
秋から冬へと移り変わる季節、捕食者を避けながら、効率よく餌を探すために共に行動する小さな命たち。枝から枝へと軽やかに移りゆく鳥たちの姿は、まるで秋の森にしずくを散らすようでした。
さらに足を延ばし、境川遊水地公園へ。
ビオトープでは、オオバン、カイツブリ、カワウ、カワセミ、コガモ、ホオジロ、モズなど多彩な鳥たちが、遠く水面を滑るように現れては消えていきます。
サッカー場前の池では、キンクロハジロが小魚を追う姿を間近に観察することができ、参加者の目がひときわ輝きました。
帰り道、和泉川沿いを歩きながら、カルガモの穏やかな泳ぎや、大きな鯉がゆったりと水をかき分ける姿に見送られ、観察会はゆるやかに終わりを迎えました。
黄砂に煙る空の下で探した野鳥の声は、ひとつひとつが秋の森からの贈り物。
耳と心で季節を感じる、豊かなひとときとなりました。


































