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梅雨入り前の里山に、今年もホタルの季節が訪れました。

 6月1日(月)から6月5日(金)まで開催を予定していた「ホタル観賞会」は、台風の影響により2日(火)と3日(水)が中止となりましたが、残る3日間、多くの皆さまにご来場いただきました。ご来場者数は延べ1,097人となり、たくさんの方々が初夏の夜のひとときを楽しまれました。

 日が暮れ、空に群青色の帳が下りる頃。館裏の大池や湧水の小川のほとりでは、一つ、また一つとホタルの光が灯り始めます。

 草の陰からふわりと浮かび上がる小さな光。闇の中をゆっくりと漂い、時に寄り添い、時に離れながら描く光の軌跡は、まるで夜の空気そのものが淡く輝いているかのようでした。

 耳を澄ませば、水のせせらぎと虫たちの声。見上げれば木々の梢を渡る風。そんな里山の静かな夜に包まれながら、人々は言葉少なにホタルを見つめ、その幻想的な舞に心を委ねていました。

 館前には、ボランティアの皆さまが心を込めて作った竹灯籠が並び、やわらかな明かりで来場者を迎えてくれました。竹灯籠の温かな灯とホタルの儚い光が響き合い、公園全体が夢の中の風景のような趣に包まれました。

 ほんのひとときだけ現れる、初夏の夜の小さな奇跡。今年も多くの方々とその美しい時間を分かち合えたことをうれしく思います。

 ご来場くださった皆さま、そして準備や運営を支えてくださったボランティアの皆さまに、心より感謝申し上げます。

 また来年、この里山の夜に、淡く揺れるホタルの光が帰ってくる日を楽しみにしています。