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初夏の風に揺れる山法師

 初夏の光が、見晴らしの丘いっぱいに降りそそいでいます。

 空はどこまでも澄みわたり、風はやわらかく、丘を渡るたびに草木が静かに揺れていました。

 そんな丘の上で、今年も山法師が花を咲かせています。

 天王森泉公園の見晴らしの丘には三本の山法師があり、それぞれ少しずつ表情が違います。

 一方は、透き通るような純白。

 もう一方は、やや黄みを帯びたやさしい白。

 同じ花でも、光の受け方や木の個性によって色合いが異なり、並んで咲く姿には不思議な味わいがあります。

 五月の抜けるような青空の下、白い花びら――正確には総苞片と呼ばれる部分――が陽の光を受けてきらりと輝きます。

 風が吹くたび、その白がふわりと揺れ、まるで丘の上に小さな光が舞っているようでした。

 山法師という名前は、「山の法師」に由来するといわれています。

 中央の丸い花を僧兵の頭に見立て、白い総苞片を頭に巻いた白い頭巾や法衣にたとえたことから、この名が付いたそうです。

 なるほど、そう聞いて眺めると、静かに風に揺れる白い花姿は、どこか修験者の装束のようにも見えてきます。

 初夏の強い日差しの中にありながら、どこか涼やかで、凛とした気配を漂わせる山法師。

 見晴らしの丘では今、空の青と山法師の白が美しい対比を描いています。

 竹林を渡ってきた風が丘を抜けるたび、白い花々は静かに揺れ、初夏の訪れをそっと知らせてくれていました。