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春のつるし飾り

 古民家に、春が降りてきました

 横浜市泉区の**天王森泉公園。

 その静かな里山の中に佇む天王森泉館**で、今年もつるし雛展が始まりました。

 明治の面影を残す古民家の扉を開けると、やわらかな色の世界が広がります。

 天井から連なるつるし飾りが、風もない室内で、そっと春を揺らしています。

 赤、桃、黄、緑――

 ひとつひとつは小さな細工ですが、集まると、まるで春の花が空に咲いたよう。

 子どもの成長や幸せを願う思いが、古い梁の下で静かに息づいています。

 館内を進むと、障子越しの光に照らされたつるし雛。

 床の間のしつらえ。

 縁側に差し込むやさしい日差し。

 歴史を重ねた建物と、手仕事のぬくもり。

 その二つが重なり、この場所ならではの、落ち着いた華やかさをつくり出しています。

 外に出れば、竹林の気配、湧き水の音。

 里山の静けさの中で、季節が少しずつ動いているのを感じます。

 このつるし雛は、地域の皆さんの手によって作られ、飾られているものです。

 一針一針に込められた願いと、受け継がれていく暮らしの知恵。

 古民家の中に広がるのは、飾りだけではなく、

 人の思いと、時の積み重ねです。

 春は、もうすぐそこまで来ています。

 どうぞ、静かな春を感じにお越しください。