· 

竹林の冬支度「敷ワラ」

  11月下旬、秋の深まりとともに竹林にもひんやりとした空気が漂い始めました。今年もまた、竹林の冬支度として欠かせない「敷ワラ作業」の季節がやってきました。田んぼで刈り取ったワラを竹林へ運び込み、地面一面に広げていくこの作業は、見た目以上に体力と根気を必要とする大切な作業です。

  敷いたワラは、地表と根のあいだに空気の層をつくり、適度な湿度と温度を保ちながら、厳しい寒さや乾燥から土を守ってくれます。また、土が踏み固められないように柔らかさを保つ役割も果たし、春の竹の子が健やかに伸びるための“ふかふかのベッド”のような存在です。

  今年は、平日にもかかわらず5人のボランティアさんが集まってくださり、和やかな雰囲気のなか作業が始まりました。秋晴れの光が竹林の隙間からこぼれ、ワラの金色がひときわ明るく見えます。ワラを運び、一束一束ていねいに結びを解いて広げていくと、竹林の表情が少しずつ柔らかく、温かな風景へと変わっていきました。

  作業が進み、体はじんわり汗ばんできますが、「今年もいい竹の子が育ってくれますように」と思えば自然と手も進みます。ときどき風がサラリとワラの表面を撫で、竹のざわめきとともに心地よい時間が流れていきました。

  敷き終えた竹林は、まるで金の絨毯を広げたような優しい景色に。見渡した瞬間、「今年もやってよかった」と胸の奥から静かな満足感がこみ上げます。作業が終わる頃には、スタップさんお土産の「柿の種」を囲みながら、皆さんの顔に自然と笑みがこぼれていました。

 冬を越え、春の陽気が戻る頃、このワラの下から元気いっぱいの竹の子が顔を出してくれることを願いながら、今年も竹林の一年が締めくくられていきます。自然の移ろいに寄り添いながら、これからも季節ごとの手入れを続け、竹林の美しい景観を守っていきたいと思います。