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すみれの葉っぱとツマグロヒョウモンの幼虫たち

 天王森泉公園の玄関先に置かれた、春から可憐な花を咲かせてきたすみれの鉢。

 最近、その葉がほとんどなくなっていることにスタッフが気づきました。近寄ってよく見てみると――なんと、ツマグロヒョウモンの幼虫が8匹も、夢中で葉を食べていたのです。

 幼虫は黒い体にオレンジ色の模様、そして全身にトゲトゲがあり、ぱっと見は少し毒々しく見えます。ですが、このトゲは柔らかく、触っても痛くありません。

 ツマグロヒョウモンの幼虫がたべる食草はスミレ科の植物だけです。野生のすみれはもちろん、園芸用のビオラやパンジーの葉も大好物です。きっと昨年、野の花苑に向かう坂道に生えた藤袴で仲良く飛んでいたツマグロヒョウモンがスミレの鉢に卵を産み付けたのでしょう。

しかし、今年は天王森の園内でもすみれが少なく、このままでは鉢の葉だけでは足りません。そこでスタッフは、幼虫たちの命をつなぐため、「くわくわ森」へ行って新たなすみれを探すことにしました。

 幼虫たちが無事に成長し、美しいツマグロヒョウモンとなって舞い立つ日を願いながら、見守りを続けます。




昨年のツマグロヒョウモ

(野の花苑に向かう坂道沿いの藤袴で遊ぶ)