昨年の6月、「天王森の初夏」と題した写真ギャラリーを開催いたしました。自然をこよなく愛する三島柴胡さんから、おたふくあじさいの一枚をご提供いただきました。
その写真は、見る人を一瞬戸惑わせるほどの深い赤紫。とても紫陽花とは思えない、不思議で魅力的な色彩に包まれていました。
今年は自分のレンズで、弁天坂のオタフクアジサイを撮影してみました。正直なところ、三島さんのような繊細な感性と技術には到底及びません。それでも、その場の空気感、初夏の光、揺れる花びらの呼吸のような動き——その雰囲気をなんとか写真に込めたくて、一生懸命シャッターを切りました。
それを短い動画としてYouTubeのショートに投稿したところ、すぐに「清々しい動画ですね」とコメントをいただきました。その言葉に、心がじんわりと温かくなりました。花は、人の心に寄り添う力を持っているのだなと、改めて感じた初夏の一日でした。
