ガマズミという植物をご存じでしょうか?私はこの植物が大好きで、その魅力に魅了されています。春には可憐な白い花が咲き、初夏になると赤い果実を実らせます。さらに秋には紅葉、冬には赤い実と雪化粧と、一年を通して私たちの目を楽しませてくれる存在です。
ガマズミは古くから日本人に親しまれてきた植物で、万葉集にもその名が登場します。また、かつては染料としても利用されており、葉や茎を使って染めた布は赤い実と違い「薄紅色」に仕上がったそうです。
「ジャパンレッド」と聞くと、多くの方が日本の工芸品の有田焼や輪島塗の赤を思い浮かべるのではないでしょうか。海外でもこの赤は「ベンガラ色」として高く評価されています。ガマズミの赤い実は、そのジャパンレッドと、日本の伝統的な深みのあるエンジ色の中間に位置するような、独特の色合いを持っています。温かみがありつつも凛とした印象のこの赤色は、まさに自然が生み出した芸術です。
私が特にガマズミの美しさを実感するのは、くわくわ森の北口を入ったあたりです。秋風に揺れるガマズミの実たちが、赤いアクセントを添えながら出迎えてくれるのです。この景色を目にすると、季節の移ろいを感じるとともに、自然が持つ力強さや優しさに心が癒されます。
この光景を皆さんにもお届けしたいと思い、ガマズミの赤い実やその周囲の風景をビデオに収めました。秋から冬へと移ろう季節の中で、ガマズミの実がどのように色づき、景色に溶け込んでいくのかをぜひご覧ください。自然が織りなす美しい瞬間を共有できることを願っています。