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森のキンラン

 新型コロナウィルスで、外出は控えるようにしていますが、健康のための散歩は構わないということで、天王森泉公園にもお出かけくださる方が、増えたように思えます。

森の中で植物調査をしていると、「初めて来た」とよく声をかけられるようになりました。

 今の時期、ただ歩くだけでなく林床の野草を探しながらの散歩が楽しめます。

絶滅危惧種と言われていたキンランも、大切に管理しているここでは順調に増え、あちこちで見られます。カラーテープのついた棒を目印に他の野草も探して見てください。

黄色ーキンラン  ピンクーイカリソウ

緑ーシュンラン  紺ーギンラン

白ーヤマユリ(6月〜8月)

 たくさんある植物は、目印をつけていません。

金蘭(キンラン)

クヌギやコナラの根に付く菌と共生して育ちます。

この木がないと消えてしまいます。

銀蘭(ギンラン) 

キンランよりも、クヌギやコナラの根の菌への共生が強く、共生菌がなければ育たない植物で、なかなか増えません。

碇草(イカリソウ)

4月4日に森で見つけてから、花が終わったところもありますが、まだ綺麗な花も見られます。

二人静(フタリシズカ)

一人静の花は終わり、葉が大きくなっています。その頃に二人静の花が咲きます。

海老根(エビネ)

地海老根で地味な花ですが、昔からここにあったものなので、増えてくれると嬉しいです。

宝鐸草(ホウチャクソウ)

寺院のお堂や五重の塔の軒にぶら下がっている、風鈴のような形をした飾りに似ているので、名がつきました。

甘野老(アマドコロ)

ヤマイモ科の野老(トコロ)に似た地下茎ができ、甘みがあるのでアマドコロと言います。

関東蒲公英(カントウタンポポ)の綿毛

森で見かけるタンポポは、カントウタンポポです。木々が葉を濃く茂らせる前に花を咲かせ、虫が運んだ花粉で結実します。

夏になり日陰になると、葉を枯らし夏眠します。

綿毛についたタネの数は60〜90、西洋タンポポは150〜200で2倍以上になります。